応用行動分析(ABA)

広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)のうち高機能自閉症スペクトラム障害(アスペルガー症候群(アスペルガー障害)と高機能自閉症)の治療法としてその効果を期待されているものには、応用行動分析(ABA)、TEACCH(自閉症、および関連のコミュニケーション障害のある子どもに対する治療と教育)、デンパー治療モデル、社会生活技能グループ、教育的支援、言語コミュニケーション療法、機能的行動分析、薬物療法、感覚統合療法、個人心理療法などがあります。

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そのうち効果が証明されているものの一つが、応用行動分析(ABA)です。治療年齢、実地方法・場所、特徴、およびその長所と短所についてより詳しくは、『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004をご参照ください。

●応用行動分析(ABA)
ロサンゼルス・カリフォルニア大学(UCLA)の教授陣の一人によって、1960年代に開発された治療法です。
行動学理論をもとにします。
応用行動分析(ABA)は、就学前から成人期の方を対象とします。
就学前は、訓練を受けた専門家チームによって週に30~40時間、理想的には2年間、家庭で行うことが多いです。その後は、学校やその他の環境において行われます。
観察、定義が可能な行動について測定される明確な目標を定めるのが、応用行動分析(ABA)の特徴です。そしてそれらの目標達成のために具体的なテクニックを用いるとともに、治療介入の効果を評価するために継続的にデータを収集していきます。
このテクニックは、原則的にオペラント条件づけなどの学習に基づきます。
2年間の集中治療によって、多くのお子さんは正規の学校で特別な支援なしにうまく生活できるようになります。ただし、短所は費用がかかるということです。


応用行動分析(ABA)が、訓練を受けた専門家チームによって行われるのに対し、責任のある大人ならば誰にでも行えるのが、「機能的行動分析」です。
●機能的行動分析
就学前から成人期全般を通して行われます。学校、家庭、その他の状況で、責任のある大人であれば誰にも行えます。
混乱を引き起こす、あるいは問題のある行動の機能を検証します。そしてよりふさわしいコミュニケーションの方法を提供するのです。
機能的行動分析の長所は、行動問題を減らし、コミュニケーションを向上させることにあります。

機能的行動分析と同様にコミュニケーション能力の向上を目指すのが、「言語コミュニケーション療法」です。
●言語コミュニケーション療法
高機能自閉症やアスペルガー症候群(アスペルガー障害)がある方々は、比較的よく発達した言語能力をもっている、と定義されます。つまり文法的な誤りがほとんど、あるいはまったくなく、流暢に話すことができるのです。しかし彼らには、それでもやはり「言語問題」があります。人とコミュニケーションを図ることができないのです。それは他の人たちと考えや情報を交換するために、社会的文脈で言語を使うこと(語用論)に問題があるからです。そこでこの語用論に焦点を当てて開発されたのが、この言語コミュニケーション療法です。
就学前から成人期全般にわたって行われます。グループ状況、またはお子さん同士がペアになり、言語聴覚士によって行われます。
言語の語用、つまり社会コミュニケーション、抽象的、または複雑な言語的概念の訓練を行います。
言語コミュニケーション療法の長所は、障害があるお子さんが社会生活技能グループに参加できないとき、あるいはお子さんのコミュニケーション問題がより深刻なときなどでも有効であるということです。


応用行動分析(ABA)と同様、世界で最も広く行われている治療法の一つで、その効果を比較され、期待されているのが、TEACCH「自閉症、および関連のコミュニケーション障害のある子どもに対する治療と教育」です。参考:『みんなで学ぶアスペルガー症候群と高機能自閉症』星和書店2004

就学前から成人期にかけてを対象とします。
学校を主とし、家庭でそれを補う形で、学校の先生とご両親によって行われます。
そのテクニックは、比較的容易に職場環境にも一般化されます。
TEACCH(自閉症、および関連のコミュニケーション障害のある子どもに対する治療と教育)の特徴は、環境を視覚的に構造、組織化し、視覚的能力、機械的能力、丸暗記力についての長所を活用しながら、状況を学び、言語、模倣、社会的および認知的技能を教えていくことです。
1対1で行うこともあれば、グループで行うこともあります。TEACCH(自閉症、および関連のコミュニケーション障害のある子どもに対する治療と教育)は、公立学校で実施されている場合が多いです。
応用行動分析(ABA)は、確かに効果があると言われますが、集中的に行われることから費用の面でも、またご両親の精神的面でも多くの負担が強いられます。また、訓練を受けた専門家チームが存在しないことには実行できません。したがって、ご自宅の近くで応用行動分析(ABA)を行っている機関やチームがみつからない場合、学校でのTEACCHプログラムを利用することは良いでしょう。その効果についてはまだ明らかにされていない点も多いですが、行動、学習が改善し、ご両親のストレスの軽減に寄与するとともに、自信を強めることができるといわれます。

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